私たちについて

 日本がいつの間にか格差社会と言われるようになりました。7人に1人の子どもが相対的貧困にあると聞く現代社会で、シングルマザーの家庭や、世帯年収で相対的貧困世帯など、数字に捉えられる家庭だけではなく、このコロナ禍で、これまで経験しなかった困難を抱えている家庭もあるでしょう。また、家庭内の個々の問題から外から視えない厳しい状況を抱えている家庭もあるかも知れません。自治体も手を差し伸べる動きを始めました。しかし、支援にたどり着けない人々、支援に背を向ける日本人特有のプライド等々、支援に立ちふさがる壁は高いようです。まして、世の風潮は自己責任論であります。支援を必要とする人ですら、自らを自己責任論に追い詰めてしまうのです。子どもに手作りの晩ご飯を用意して宿題を一緒に取り組むことができるのはゆとりのある家庭で出来ることで、時間と仕事に追われている親にそれを求めるのは酷なことです。生活費を稼ぐことで精一杯の家庭では塾代を捻出することも困難でしょう。しかし、厳しい状況を自ら選択した子供は一人もいません。

 『親ガチャ』という言葉があるそうです。どんな家庭に生まれるかで未来が決ってしまう…稽古事、塾、私立の進学校、大学進学等々…自分を取り巻く環境は、誰かが回したガチャガチャのダイヤルのように決まってしまう…そんな社会を許して良いはずがありません。

 私たちの世代は、一億総中流社会と呼ばれた時代に大人になりました。親から独立した選択肢が無限にひろがっていました。社会は前進すべきものであると思います。先端技術が開いていくように、社会の構造も、より多くの人が社会的なウェルフェアを享受できる方向に向いていくべきだと思うのです。その為には社会が子どもに投資する必要があります。やっと、日本も、子育て世代に児童手当や医療費助成を充実させるようになりました。それをマクロ的支援とすれば、ミクロ的支援を市井の者として目の前にいる困難な状況下の子供達に、「君たちの未来は明るいよ」と言えるようなボランティア活動をする団体としてここに野真戸を設立いたします。